黒王子と白いプリンス
黒王子と白いプリンス
浅倉湊side
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三鷹由乃と別れて自分のクラスの集団に向かうと、女に囲まれた諒也が見えた。
「あ、湊ーー」
諒也が言った。
『あ〜湊くんだ〜』
女達が言った。
そして、女のうちの一人が言った。
『さっき浅倉くんが女の子といるの見たよ〜‼︎珍しくて驚いちゃった』
「え…?女の子?」
諒也が固まる。
「ああ、いた。あいつといるの楽しいから。」
諒也が取り巻きから離れて俺の方に来た。
「まさか、由乃……ちゃん?」
「それ以外誰がいる」
「俺も誘えよ…」
諒也が言った。
その瞬間、何かがプツンと切れたように俺は言ってしまった。
「あいつだけは譲れない。」
もう幼なじみなんて関係ない。
俺は、あいつが好きだ。
隠すのはもうやめる。
諒也は驚いた顔をした。
こんな顔、初めて見る。
「やっぱり…湊も好きだったのか…由乃ちゃん。」
「……」
「そっか……」