黒王子と白いプリンス
部屋に入って私はベッドに座った。
こんな気分になるなんて……
私……
自分が白馬くんのことどう思ってるのか分かんない…
白馬くん……
また涙が出てくる。
どうして涙が出るのよ……
その時、携帯が鳴り出した。
電話……知らない番号?
私は電話に出た。
「はい……」
『由乃ちゃん?』
この声……
「晃さんですか?」
『そうそう‼︎私用の携帯が手元になくてさ、この番号仕事用のやつ。』
「あ、そうなんですか」
『それと、諒也となんかあった?』
「え……」
『ずっとイヤがってたアメリカに行く話受けてさ』
「あ、アメリカ⁉︎⁉︎」
『うん。今日の午後……あと4時間かな?』
「4時間……⁉︎⁉︎」
『もう空港に向かってるはずだけど?』
「空港に……」
『うん。空港。行ってくれば?』
「え?」
『あいつ、本当は行きたくないと思うから止めてやって。由乃ちゃんの言うことなら聞くと思うし。』
「でも……」
『それで自分の気持ち伝えてきなよ。』
「気持ち?」
『そ。じゃあね』
電話が切れた。