黒王子と白いプリンス
1時間目が終わり、私はもう一度『王子』のクラスに行った。
教室を覗くと、『王子』は窓から2番目の一番後ろの席でイヤホンを付けて音楽を聞いていた。
どうしよ……あれは……行きにくい……
私がどうしようか迷っていた時、後ろから声をかけられた。
「由乃ちゃん、なにしてんの?」
「ぷ、『プリンス』‼︎‼︎」
「ぷりんす?あぁ……影のあだ名か…」
『プリンス』はそう言うと、ドアの側にいる私に近づいてきて、ドアに手をついて教室を覗き言った。
「湊。由乃ちゃんが呼んでるよー」
『プリンス』がそう言うと、『王子』がこっちを向いた。
え……音楽聞いてたんじゃないの⁉︎⁉︎
「あ、ありがとう。」
私は、『プリンス』に言った。
「どういたしまして。あと、俺のことは、プリンスじゃなくて、諒也って呼んで?」
「は⁉︎あ、うん。」
「ふっ……」
『プリンス』は笑った。
何で笑うのよ……