黒王子と白いプリンス
家から出て少ししてから浅倉くんに出会った。
「あ、浅倉くん…」
私は息を切らしながら言った。
「何急いでるの?」
「あ、あの、白馬くんが……アメリカに」
「ああ……諒也…」
「だから、急がないと‼︎‼︎」
「諒也のこと好きなの?」
「え…あ……そういうわけじゃないけど」
「好きじゃないのに空港まで見送り?」
「見送りじゃなくてお礼を……」
「お礼?」
「お世話になりっぱなしだったから」
「ふーん、あと2時間くらいか…急げば行ける。……がんばれよ。」
「あ、ありがとう」
がんばる?何を?
私は駅まで走った。