黒王子と白いプリンス
「は、白馬くん⁉︎⁉︎」
「久しぶり、由乃ちゃん」
白馬くんはいつもと変わらない笑顔をむける。
「ど、どうして⁉︎」
「どうしてって何が?」
「どうしてここに?」
「何言ってるの?俺はここの生徒だよ?」
「だってアメリカに…」
「アメリカ?ああアメリカね。ここを卒業したら行くからその準備で行っただけだよ」
「え……」
私……もう二度と会えないかと……
私は地面に手をついた。
「……俺教室行く。」
そう言って浅倉くんは屋上から出て行った。
屋上には私と白馬くんだけになった。
「由乃ちゃん」
白馬くんが地面に手をついたままの私を覗き込む。
「好きだよ。」
その言葉を聞いて私はまた涙が溢れた。
「え⁉︎由乃ちゃん?あ、ごめん‼︎もう言わないから」
「言って」
「は?」
私は白馬くんの顔をまっすぐ見た。
「好きってもっと言って欲しい」
「え??」
白馬くんは不思議そうな顔をする。
私はそんな白馬くんに抱きついた。
「私も白馬くんが好きだから。」
「ほ、本当⁉︎⁉︎」
「嘘でこんなこと言わない」
「あ、うん。」
白馬くんが私を抱きしめ返す。
「大学……アメリカに行くの?」
「うん。親があっちにいて会社継がなくちゃいけないから。」
「……寂しい。」
「由乃ちゃん……可愛すぎ…」
そう言って白馬くんが私にキスをした。