黒王子と白いプリンス




教室に戻った私は、自分の席に着いて授業の準備をした。


「由乃〜」


「なにー?」


春代が話しかけてきた。


「もうすぐ夏休みじゃない?」


「うん。」


「噂なんだけど、2年全体で花火大会やるらしいよ〜」


「は?何でそうなったの⁉︎」


「あくまでも噂だから‼︎‼︎」


「私、パスだわ……」


「だよね〜」


春代が私の前の席に腰掛ける。


「花火大会なんて……」


は‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎


私は思いついてしまった。


これは、


これは、


もしかしたら、


春代と赤嶺くんをくっ付けるチャンス⁉︎⁉︎


「や、やっぱり私行こーかなー」


「は?何で⁉︎」


「い、いきなり行きたくなったの‼︎‼︎‼︎」


チャンスよチャンス‼︎‼︎

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