嘘つき少女。
後ろに倒れるはずだった身体は傾いたままで、
「どこも怪我はありませんか??」
「お~、凛稀!!ナイスタイミングだな~!!」
「………大丈夫??」
気がつけば周りに男がたくさんいた。
「……大丈夫です。ありがとうございます。」
傾いていた身体をなおして、深々と頭を下げる。
あぁ、人と関わってしまった。
誰とも関わることなく、何もない生活を送りたかったのに。
「………すまなかった。」
掴まれていた腕が力なく離される。
「いえ、こちらこそぶつかってしまいすみませんでした。」
顔なんか確認せずに立ち去ろうとした。