嘘つき少女。
凛稀side
「凛稀、どうしました??」
去っていった女の後姿をいつまでも見ていた俺に翔夜が話しかける。
「変わった女だな。」
「あれ~、凛稀が女に興味示すの珍しくないか~??」
語尾をダラダラと伸ばしながら奏が言う。
「僕は女なんかどうでもいいよ、早く行こうよ。」
頬を膨らませて雪人が拗ねる。
「そうですね、あとで調べておきますよ。」
翔夜の目つきが少しだけ変わる。
「あぁ、頼む。」
それからだった、俺等の人生が大きく変わったのは。
もし、あの時に俺等が出逢っていなかったら。
きっと俺等は後悔していたと思う。
俺等が犯した罪を忘れようとしていたから。
そして、誰よりも守らなきゃいけない存在を失いかけていたから。