アイドルのアンタとヲタクなアタシ 。
俺のファン ?
『ちょっとアタシ飲み物買いに行ってくるね!』
あずちゃんに言ってそそくさと自動販売機へ向かう。
緊張したのもあって少し1人になりたかった。
自動販売機まで着くと、誰かの影が見えた。
『……誰だ?』
スーツ姿、黒いフワフワした髪、あの後ろ姿。
『けっ、けけけけけけ、慧くん……!』
「あ。エキストラの。」
わ、どうしよう。思わず名前出しちゃった。
『ご、ごめんなさい。お休み中邪魔してしまって…!あの気にせず休んでください!アタシ買ったらすぐ行くんで…!』
「ふ。ふはははははっ、いいよ。気にしなくて。」
慧くんが笑った。
アタシはその瞬間、顔がカアッと赤くなった。
「……あ~、君。俺のファン?」
『え、えっと、あの………』
「こっち来て。」
『は、はい…?』
言われるまま、慧くんの隣に座る。
ああ。どうしよう。ドキドキ止まんない。
「…顔。真っ赤なんだけど。」
『………!』
頬杖ついてニヤニヤしている慧くん。
ますます恥ずかしくなって顔が赤くなる。
*