アイドルのアンタとヲタクなアタシ 。
面白いね、君 。
『も、もう!からかわないでください!』
「面白いね、君。」
慧くんの黒い髪が陽射しにあたって少し透き通っていた。
『け、慧く…… 楠木さんって意地悪なんですね。』
「なんで言い直したの?(笑)」
『なんとなくです。』
「……ふ~ん。俺のファンでしょ?」
急に真顔になったりしてこんな意地悪な質問してくる。
慧くん、ズルいな。さすがアイドル。
『だったら何ですか!』
「はははは!顔、真っ赤!(笑)」
『……もう休憩時間終わるので戻ります。』
こんな意地悪だとは。悔しいけどドキドキしてるアタシ。
早く戻って火照り静めないとバレちゃう。
「あ!待って。」
慧くんがアタシを呼び止める。
『何ですか?』
「手、だして。」
アタシは不思議に思いながらも手を出した。
『!?』
慧くんは、
アタシの手のひらに"090"から始まる数字を書き出した。
そしてまた頬杖ついてニヤニヤしながら
「また面白い話聞かせてよ。」
そう言った。
*