Bartender
その言葉に、私の心臓がドキッ…と鳴った。

「今は難しいかも知れないけれど、いつかは千沙さんの夫になりたいと思っています。

千沙さんとずっと一緒にいたいと願っています」

「――颯くん…」

私の唇から、彼の名前がこぼれ落ちた。

伊地知くんは嬉しそうに微笑むと、
「俺の名前、初めて呼んでくれましたね」
と、言った。

「本当に、私でいいの?」

そう確認をしたら、
「千沙さんがいいんです」

伊地知くんはそう答えて、私の手を両手で包み込むようにして握った。

「絶対に幸せにします」

そう宣言した伊地知くんの顔が近づいてきたその瞬間、私はそっと目を閉じた。

フワリと、彼の香りを鼻で感じた。

☆★END☆★
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