Bartender
「私がどう呼んでも文句は言わないんでしょ?」

そう言った私に、
「結構性悪なヤツだったんだな」

正文はやれやれと言うように息を吐いた。

その時は正文のことを仲が良くなった男友達くらいにしか思っていなかった。

お互いが休みの日は映画を見に行ったり、飲みに行ったりしていたけど、私はいつの間にか正文に思いを寄せるようになっていた。

正文と一緒にいるのは楽しい。

正文とは何でも話があう。

これが恋と言うヤツなのだろうか?

よくわからなかったけど、私は正文を男友達として見ることができなくなっていた。

合コンから半年が経って、何回目かの正文との休日だった。

「千沙」

いつからだったかは忘れてしまったけど、正文は私のことを“千沙”と名前で呼ぶようになっていた。
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