Bartender
「何?」

そう聞いた私に、正文は眼鏡越しから見つめてきた。

「俺とつきあってくれないか?」

そう言った正文に、
「どこへ?」

私は聞き返した。

今度はどこへ行こうと言うのだろうか?

「お前、本気で言ってるのか?」

正文は毒づくように聞いてきた。

「えっ、ええっ?」

違うの?

じゃあ、どう言う意味で言ったの?

思わず聞き返した私に、
「俺と結婚を前提につきあってくれませんか、って言う意味で言ったんだ」

正文は答えた。

「えっ、ウソ…」

「ホントだよ。

って言うか、それくらいわかれよ」

正文は手に額を当てると、はあっと息を吐いた。
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