Bartender
「あったまった…」

愛用しているスウェットを身につけ、バスタオルで髪をふきながら、温まった部屋に足を踏み入れた。

窓の外に視線を向けると、雨はまだ降っていた。

この雨、明日まで降るのかしら?

「明日は映画を見に行こうと思ってたのにな…」

やれやれと息を吐いた後、夕飯を作るためにキッチンへ向かおうとしたその時だった。

ピーンポーン

チャイムが鳴った。

こんな時間に、しかもこんな天気に、一体誰がきたと言うのだろうか?

そう思いながら玄関の方へと足を向かわせた。

「はーい、どなたですか…」

ドアを開けた瞬間、そこにいた人物に私は驚いた。
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