Bartender

恋のリハビリを始めよう

カウンター席に腰を下ろすと、
「何か飲みますか?」

伊地知くんが声をかけてきた。

「特に飲みたいものはないんだけど…」

呟くようにそう言った私に、
「じゃあ、俺に任せてもいいですか?」

伊地知くんが聞いてきたので、私は首を縦に振ってうなずいた。

カウンターに入ると、伊地知くんは手なれたようにシェイカーにリキュールと氷を入れた。

首を縦に振ってうなずいたけど、どんなのができるんだろう?

伊地知くんは上下にシェイカーを振っている。

やっぱり、なれてるな。

バーテンダーだな。

そう思いながら彼を見つめていたら、
「お待たせしました」

私の前にカクテルが置かれた。
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