Bartender
その日の夜。

私は8時ちょうどにバーを訪ねた。

「いらっしゃいませ」

伊地知くんが迎えてくれた。

「こんばんは」

私は会釈をすると、カウンターの席に腰を下ろした。

「お仕事お疲れ様です」

「ありがとう」

「今日は飲みますか?」

そう聞いてきた伊地知くんに、
「じゃあ、飲もうかな。

あっ…でも明日も仕事があるから、アルコールはなるべく強くないもので」

私は答えた。

「かしこまりました」

伊地知くんは笑った後、手なれたようにカクテルを作り始めた。
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