Bartender

と言うか、反則過ぎにも程があるじゃないのよ。

そうやって歯を見せて笑っているその姿、私の方こそ心臓がドキッ…って鳴るよ。

「お待たせしました、ドライカレーとスープカレーです」

店員が私の前にスープカレー、伊地知くんの前にドライカレーを置いた。

「ごゆっくりどうぞ」

店員はニッコリと微笑んだ後、私たちの前から立ち去った。

「食べましょうか」

伊地知くんと私は両手をあわせると、
「いただきます」

スプーンを持ってカレーを食べ始めた。

「うん、美味い！」

美味しそうにドライカレーを頬張るその姿は、やはり年下男子である。

そう思いながら、私はスープカレーを口に入れた。