叶うはずのない恋愛
朝の時間が過ぎるのは本当に早い。気がつけば７時３０分を回っていた。駅まで行くには約１５分かかるから今出ないと間に合わない。あたしは自転車の鍵を掴み家を出た。
集合場所には夏川と五十嵐が居た。


「前川早いな。女は準備遅いのに。」


五十嵐はあたしを見て言う。夏川と五十嵐の私服は意外とカッコよかった。蓮の私服は見慣れてるし…。


「前川、私服と制服だと感じ違うな。」


夏川が口を開いて言う。そういう夏川も感じめっちゃ違うんですけど。


「夏川が今、１番見たいのは紗紀の私服でしょー？」


あたしはペットボトルの蓋を開けながら言う。紗紀今日はどんな髪型してくるんだろう。ちなみにあたしは今日はツインテールをしている。髪の毛おろしてたら暑いしね？


「ま、まあな。」


夏川が頬を少し染めていた。何照れてるんだか。


「翔、かえ、五十嵐おはよう。」


手を振りながら来たのは紗紀。あたし達と一緒に買い物したワンピを着ていた。そして可愛いサンダル。遊園地スタイルには辛そう。冷静に頭でそう考えていた。


「やべぇ。めっちゃ可愛いんですけど。」


夏川があたしと五十嵐にぼそっと呟いた。


「翔と三浦、バカップル決定で。」


あたしと五十嵐は仲良さそうにイチャついている２人を遠目で見ながら言った。
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