叶うはずのない恋愛
「あ、あたし。」


あたしはくじを五十嵐に見せながら言う。あたしとペアな人誰何だろ。


「んじゃ俺と前川がペアだなー。」


五十嵐はあたしの手からくじを取りながら言う。あたしのペアは五十嵐か。夏川じゃなくて良かった。


「2番は結衣と翔で、3番は紗紀と蓮だな。んじゃ3番からお化け屋敷入ってー。」


五十嵐はそう言うと笑って蓮と嫌がっている紗紀を無理矢理お化け屋敷に入れた。


「見事に紗紀と夏川離れたね。」


「だってラブラブでイチャつかれたら独り身の俺ら悲しいじゃん。遊園地ては楽しめるようにくじ引きが1番公平なんだよ。」


五十嵐はそう笑いながら言った。


「疾風、まだ行ったらダメな訳?」


地面にしゃがみながら言う夏川。蓮といる紗紀の事が気になるのかな。


「翔の事だからどうせ三浦の事気になるんだろ。蓮は三浦の事何とも思ってないから大丈夫だって。」


そう言いながら笑う五十嵐。横にいる結衣をみたらお化け屋敷に入るのがよっぽど怖いのか震えていた。いつもしっかりしている結衣がこんなに震えているなんて思えない。
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