叶うはずのない恋愛
「まじで?前川あれ怖くないとかおかしいだろ。」


まだ驚いたように言う夏川。おかしくないって言われても…。怖くないものは怖くないしね……。


「足掴まれた時死ぬかと思った…。」


青ざめていた顔が少しはマシになっていた。結衣も足掴まれたんだ…。


「神埼ヤバかったもんな…。出口まで走って行こうとしたらお化け役の人と衝突するし…。」


よっぽどおもしろかったのが笑うのを堪えながら言っていた。お化けと衝突って…。どんな速さで走ったのよ。


「うわー、お化け役可哀相だな…。」


五十嵐が結衣を見ながら言う。確かにお化け役可哀相。お化け屋敷を走る人とかあんまいないよね。


「だから入りたくないって言ったのに。」


紗紀がまだ涙を浮かべながら言う。そんなに泣く程怖かったのかな。


「んじゃ、昼の観覧車でも乗るか。んで夜も乗ろうぜ。」


五十嵐がお化け屋敷のすぐ近くにある観覧車を見ながら言った。
っていうか……。観覧車なんて絶対乗りたくない。あんな高い乗り物存在する事がおかしいと思う。
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