叶うはずのない恋愛
「観覧車乗るの?」


あたしは恐る恐る皆に尋ねた。


「あったりまえでしょッ。遊園地に来たなら観覧車乗らないとダメでしょ!」


結衣がノリノリで言う。この人本当にさっきまで涙目だった人?お化け屋敷の時のテンションと違う結衣に呆れながらあたしは観覧車を見上げた。この遊園地は海の近くにあるから観覧車からは綺麗な海が見えるらしい。落ちたら終わりだよね?


「あ、早く並ぼうー。」


そう言いながら紗紀は走りだす。女の子って夜景とか観覧車とか本当に好きだよね?あたしは大嫌いなんだけどね。


「再びくじ引きー!夜の観覧車は翔と三浦ベアにさしてあげるけど昼の観覧車はくじ引きだから。」


五十嵐はそう言ってポケットからくじ引きを取り出した。あたしは五十嵐の手からくじを受け取った。番号はまた1番だった。1番に縁でもあるのかな?そんな事を思いながらくじの番号を見た。


「んじゃ、ペア発表ー!1番の人誰ー?」


五十嵐聞いてくる。またあたしのペア五十嵐なのかな?そう苦笑しながら手をあげる。その時紗紀の隣にいる人の手があがった。


「1番は前川と翔だなー。」


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