叶うはずのない恋愛
そう言う五十嵐。というか五十嵐君。今、何と言いました?あたし聴力落ちたのかな?


「んで2番が俺と三浦。3番が結衣と蓮だな。」


笑いながら言う五十嵐をしばき倒したいと思った。


「あ、前川ちょっと来て。」


五十嵐に言われあたしは着いて行った。結衣も何故かそのあたしの後を着いて来た。


「ゴメン!前川…。まさか翔と前川がペアになるとは予想しなくて…。」


申し訳なさそうに手をあわせ謝る五十嵐。


「くじで決まった事だから仕方ないよ?ね?顔あげて。ただ問題なのが…。」


あたしは結衣と五十嵐の側により小声で言った。


「高所恐怖症なんだよね、あたし…。」


それを言うと驚いた顔をした結衣。


「密室で高い所に30分も大丈夫?」


結衣が聞いてきた。


「は?30分?普通観覧車って15分じゃないの?」


「えーとね。かえ、落ち着いて聞いてね?この観覧車大きいから30分ぐらいかかるのよ。」


高い所は我慢するとしよう。言っていいですか。密室で30分好きな人と一緒ってどうよ。話題ないですよ?


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