叶うはずのない恋愛

空が少しずつオレンジ色に染まりだした時、携帯を鞄から取り出し電源をつけてみた。電源を着けてメールを問い合わせしてみたら１３件ぐらいメールがきていた。そして着信は２１件。あたしは録音されたメッセージもメールを見る元気もないからまた鞄に戻そうとした時、あたしの好きなアーティストの音楽が流れた。この音楽は着信。一体誰から？



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着信 神崎 結衣
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そう思いながら携帯を開くと画面に表示された番号は結衣の番号だった。少し震える手で通話ボタンを押した。


『もしもし？』


『やっとでた。あたしや疾風や西城がどんだけ心配したと思ってるの！』


電話から聞こえるのは怒鳴り声。やっぱり結衣だけにでもメールを送っておけばよかった。


『ごめん。誰とも話したくなかったから携帯の電源切ってた。』


『どうせ、かえの事だから録音メッセージもメールも見てないでしょ。西城とか疾風もずっとメールとか電話かけてたのにさ。』


着信２１件はきっと結衣と五十嵐と蓮がかけてきたんだな。そう冷静に判断しながら結衣の話を聞いた。


『あのさー、かえ。夏川の様子が変なんだけど…。もしかして告白した？』


電話の向こうで結衣が遠慮がちに聞いてきたのがわかった。