叶うはずのない恋愛
嫌でも太陽は昇る。嫌がる体を無理に起こしてあたしは起きた。カーテンを開くとあいにくの雨。それに強風が吹いていた。天気がこんなのだったらあたしの気分も晴れないよ……。そう思いながら重い足どりで制服に着替えた。


お気に入りの傘をさして憂鬱な気分のままあたしは学校に向かった。
家を早くでたからか今日にはあまり人が居なかった。夏川もまだ来てないみたいでホッとした。自分の席に着きあたしは机に顔を俯せにしてまた、深い眠りについた。


人間って不思議なもので嫌な事があれば一日中寝続けられるらしい。いわゆる現実逃避って奴かな。


「前川、起きろ。英語あてられてる。」


いつの間にか授業中になっていたらしく、どうやら寝てるあたしを英語の先生があてらしい。


「え？」


あたしは急いで教科書を開いた。ずっと寝てたからどこが当たったのかすらわからない。


「珍しいわね。真面目な前川さんが寝てるなんて。気分でも悪いの？」


焦っているあたしを見ながら先生は心配そうにあたしを見てきた。


「いえ、大丈夫です。」


あたしはそう言って先生に微笑んだ。集中しなきゃ。あたしはそう自分に言い聞かせた。


「それじゃ、問１の日本語を英文に訳して黒板に書いてくれる？」


先生はそう言ってあたしにチョークを渡した。あたしは教科書を手に取り席を立ち上がった。立ち上がる時夏川と目があった。あたしは咄嗟に目を反らし、黒板の方にむかった。
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