叶うはずのない恋愛
幸い、今日当てられた問題はこの前予習してあった問題だからスムーズに進んだ。


「はい、よろしい。前川さん次からは寝ないようにね。」


先生にそう言われてから席に座った。本当に授業中寝るとか普段のあたしじゃ有り得ないのに…。
しっかりしろ!あたし!そう自分に言い聞かせながら授業を聞いた。


ボッーとしてたら時間はすぐたつらしくもう昼休みになっていた。お弁当を食べる気力すらないあたし。早退…。しよっかな。そんな変な考えを巡らせながら溜め息をついた。


「また、溜め息ついてる。授業中はずっとボッーとしてるし。なんか、かえ心ここにあらずっていう感じだよ?」


結衣がお弁当を持ってあたしの席まで来ていた。教室には皆、学食に食べにいったりしているからかあたしと結衣と五十嵐。そして夏川と紗紀と蓮しかいなかった。


どうして今日に限ってこのメンバーしかいないの?気まずい…。


「かえ、これ好きだろ?買ってきた。」


そう言って投げられたのは、ジャスミンティーのペットボトル。あたしは慌ててそれをキャッチした。そういえば昔もこんな事あったような…。あたしは投げられたジャスミンティーを見ながら思い出した。
そうだ、あの時は夏川が飲み物なぜかくれたんだっけ?あの時は嬉しかったな。
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