叶うはずのない恋愛
「蓮、前川の行動理解できるか?」


苦笑気味に言った疾風。疾風でも理解できないなんてな…。


「だいたい…。やっと一歩進めたと思ったらまたマイナスか……。かえの歯車は今止まったばっかだから動かしてやらねぇとな。」


蓮はそう意味不明な言葉を言い残し前川の所に行った。


「姉貴って馬鹿だから結構大変ですよね?」


いきなり現れた前川弟。この姉弟は急に現れるな…。


「ま、そんな姉貴が平常心を失い夏川先輩に告白した。そして昨日は、授業中に普段じゃ有り得ない居眠り。」


俺の前で足をクロスに組んで俺に話し掛けるように言ってくる大地。


「夏川先輩。正直言わせてもらうと優しさが時には人を刃物以上に傷つけるんですよ?」


優しさが時には人を傷つける?俺はまだこの言葉を理解できなく聞き流していた。


ただ、この言葉を心の中に残していたらあの時、俺は紗紀を傷つけていなかっただろう。
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