叶うはずのない恋愛
「嘘！絶対なんかあった。かえって結構わかりやすいんだからねｯ！嘘ついてるでしょ？」


結衣が呆れたようにあたしに聞いてきた。そんな結衣の質問にあたしはビックリして言葉を失った。


どうして気付いてくれたの？あたしわかりにくいってよく言われてたのに。


「なんで……？」


あたしは少し驚きながらも結衣をみながら言った。


「かえの様子見てたらわかるよ。紗紀ちゃんからメールきてたんでしょ？」


溜め息をつきながら言う結衣。その姿はあたしと同い年とは思えないほど大人っぽくて綺麗だった。


「前川って意外と隠し事下手だよなー？見てて危なっかしいと言うかさ…。お前の心の中で死んだように止まってる時間、俺達がもう一度動かしてやるよ。」


呑気にペットボトルのサイダーを飲みながら言う五十嵐。五十嵐の言葉に胸が少し熱くなった。


どうして皆こんなあたしに優しいの？


「言っただろ、かえ。メールで。俺達はお前の味方だって。」


呆れたように壁にもたれながら言う蓮。初めて気付いた。あたしにはこんなに支えてくれる友達が居るって事に。


どんなに苦しくても転んでもあたしを立ち上がらせてくれる友達。


逃げ道をたくさん作ってくれた結衣。


なんだかんだ言っても１番状況を理解してる五十嵐。


よくわかんないけどあたしにいつだって優しい蓮。


あたしにはこんな素晴らしい友達がいるんだね
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表紙・目次

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