叶うはずのない恋愛
「紗紀、英語写し終わった?」


「あ、うん。ありがと。」


紗紀はそう言ってあたしにノートを渡してきた。
なんか、紗紀の様子がおかしい。どうかしたのかな。


「どうかしたの―?」


あたしはさりげなくいつもみたいに聞いてみた。


「あ、あのね……。聞いて引かないでほしいんだけどさ……。」


モジモジしたように言う紗紀。


「引かないから早く言いなさいッ。」


あたしは笑いながら言った。


「あたし、多分…。夏川の事好きだと思う。」


紗紀が恥ずかしげに言った。
あたしはその言葉がずっと頭に響く。


「え、そうなんだあ〜。」


あたしは、紗紀に夏川の事が好きってバレないようにすぐ反応した。
やばい、泣きそう。


「うん…。でも、好きって意識しちゃうとあんまり話せなくて……。今日、夏川と一緒に帰る約束したんだけど、2人じゃ緊張するからかえも一緒に帰ってくれないかな?」


瞳をウルウルさせながらあたしに頼んで来た。
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