叶うはずのない恋愛
「んー。前川。今日居残りだな。」


美術の先生がアドバイスしに回ってきてくれた。


「ええ!居残りですか…。」


美術で居残りとか憂鬱なんですけど。あ、でも今日居残りって事は紗紀達と帰らなくてすむのか。だったら良いかな?


「だってペース間に合ってないと思うし。今日強制的に残る人は、前川と夏川の2人だな。」


先生は名簿にチェックをつけながら言う。
あたしと夏川かー。夏川も美術苦手なんだー。って夏川??
あの夏川ですか?ちょっと先生。こんな展開無しだと思うんですけど。


「あ〜あ。かえお疲れ。あたしもどうせ残るから何とかなるよ。」


結衣はあたしの肩を叩きながら言った。本当お疲れだよ。こんな偶然なんか有り得ない。


「この世に偶然なんかないの。世の中は必然なのよ。」


いきなり結衣が言い出す。コイツはあたしの心が読めるのかよ。


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