叶うはずのない恋愛
「それはどこの漫画のセリフ?」


あたしは呆れながら手を動かし美術を書いた。


「いいでしょ?この言葉ー。」


結衣はニヤケながら言う。流石オタク……。


「もうわかったからッ!結衣は漫画とアニメの見すぎ。」


あたしは溜め息をつきながら結衣を見た。結衣はアニメソングと思われる歌を鼻歌で歌いながら絵を書いていた。


「うわ、前川って絵下手なんだ…。」


この声は…。夏川だ。


「そうですけど何か文句でも?美術は大ッ嫌いなのよ。」


ああ、夏川とはあまり関わりたくないのに。


「んでからかいに来たなら帰れ。」


あたしは手を振って夏川を追い払う仕草をした。


「いあ、絵の具の水汚くなったからかえに来ただけだよ。」


夏川はそう言って水入れをあたしに見せる。


「そういえば、夏川は絵何書いてるの?課題自由だから余計難しいよね。」


あたしは課題すらまだ決めてない。結衣は風景画を書くらしく湖と回りの木を書いている。


「何、まだ課題決めてない訳?」


馬鹿にしたようにあたしを見る夏川。
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