叶うはずのない恋愛
廊下に出ると夏川達が暴れていた。


「ちょっと、邪魔。」


結衣はキレたように廊下でじゃれてる男子に言う。結衣怖いよ…。


「神崎、野上がお前の事好きって言ってたぞー。」


うちのクラスでもお調子者な森川 亮が言った。
全く、森川は変なお節介が多い。それに、そんな恋バナ本人の前でばらすなよ…。あたしは同情の目で野上を見た。


「へぇ、あたしを好きなんだ?だったから身長とあたしより頭よくなる努力をしたら考えてあげるよ。」


結衣は意地悪く微笑みながら言う。流石どS…。


「んじゃ、かえ行こうッ。」


結衣は笑いながらあたしに言った。


「あ、前川。」


夏川に後ろから呼ばれた。


「ん?」


振り返ると紙パックのジュースを投げられた。


「それあげる。俺、それ飲めないんだわ。間違えて買った。」


夏川はそう言って笑った。
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