叶うはずのない恋愛
「桐生さんにも心配かけちゃってるのかー。でもご飯食べる気しないんだよね。」


あたしは置かれたままの料理を見ながら言った。


「恋煩いかよ。ってかその様子だと失恋?夏川先輩とッ。」


ギクッ。
かなり図星……。さすがあたしの弟。無駄な事だけには鋭いんだから…。


「何で知ってるのよ…。」


あたしは溜め息をつきながら置いてくれたポットから紅茶を注いだ。


「大地も紅茶いる?」


あたしはソファに座ってる大地に聞いた。


「貰おうかな。姉貴の話もじっくり聞かなきゃダメだし。」


意味深な笑いを浮かべながら言った。我が弟ながら性格が悪い…。


「別にあたし話する事なんてありませんけど?」


「ふーん。そんな事言うんだ。第一、夏川先輩の事で話す事いっぱいあるだろ。」
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