叶うはずのない恋愛
「何で夏川の事について話さないとダメなのよ。」


夏川の事なんか話す事無いのに。夏川とは今日限りで好きな人からあたしの友達になるんだ。それがあたしの区切りっていうもの。


「姉貴って不器用すぎなんだよ。自分より人の事優先にするし人にあんまり素を見せないし。夏川先輩の事好きなんだろ?紗紀先輩と夏川先輩が両思いになったからって、姉貴が諦める必要ないだろ?」


そう言いながら大地は退屈そうに携帯をだす。
諦める必要?あるよ。そんなの。ありすぎて困るぐらい諦める必要があるんだ。


「だって…。夏川は、あたしを恋の相談役だと思ってるし、紗紀もあたしの事をそう思ってる。だからあたしはこの恋愛を諦めなきゃダメなの。逃げてるだけかもしれないけれどこれしか方法がないの。」


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