叶うはずのない恋愛

「ふーん。逃げてばっかじゃ何も始まらない事は姉貴が１番わかってるだろ？そうやって自分の気持ち押し込んでばっかじゃ姉貴の扉は開かねぇんだよ。ましてや、俺達は前川財閥の跡取りだ。俺は決められたルートを歩くのは嫌だから婚約者の件も断った。姉貴も早くしねぇと合併の為に政略結婚させられるぞ。」


大地のひとつひとつが心に残る。そっか…。あたしの扉どこにあるのかな。鍵はどこにしまったっけ？


「そっか。大地まだ中１なのに婚約者の話なんかでてるんだ…。」


あたしは初めてそんな事を知った。あたしがこうボヤボヤしてる間も世界は動いてるんだな。


「合併の為だろ。いわゆる政略結婚って奴。悪いけど断ったけどな。俺は俺の道があるんだ。姉貴もあるだろ？」


そう言う大地の姿はとてもあたしの弟とは思えなかった。いつまであたしはこの場に留まりつづけるのだろう。歩き出さなきゃダメなのに。誰かな優しさに甘えてばっかじゃダメだよね？