叶うはずのない恋愛
「本当だ。五十嵐と結衣一緒に登校してるんだね。あたし知らなかった。」


朝テンションが高い五十嵐を嫌そうに見ながら歩いてる結衣の姿が見えた。


「俺、五十嵐先輩と仲いいんだよね。よく何か奢ってくれる。五十嵐先輩も財閥の跡取りみたいだからよくそういう話しとか姉貴の話しで盛り上がる。」


あたしの話しとかで盛り上がるってどうよ……。なんか嫌だよね。


「あたしの話しで盛り上がらないで下さい〜。」


あたしは大地を睨みつけながら言った。


「前川歩くの速いだろ…。」


そう言いながら夏川があたしの所まで来た。なんか前までは普通に接してたけど今は無理かな…。こんな距離でも緊張してるんだもん……。


「普通でしょｯ。大地とあたしはいつもこれぐらいのスピードで歩いてるよ？」


あたしは笑いながら言った。無理してでも笑わないとなんか自分が崩れそうなんだ……。


「あ、前川。学校着いたら少し時間いい？聞きたい事があるんだけど。」


夏川が真剣な瞳で言うからあたしははい。としか言えないじゃん。本当は夏川と２人で話したくないのに。


「あ、もちろんいいよｯ？」


あたしはそういつも通りの笑顔でいった。
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表紙・目次

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