叶うはずのない恋愛
「横に居るのってバスケ部でよく女子にキャーキャー言われてる前川の弟?」


あたしの横に居る大地を見ながら言った。大地も意外とモテるのね…。確かに顔はカッコイイ方に分類されてるかもね…。


「女子にキャーキャー言われてるかとかは知らないけど、一応あたしの弟。」


あたしは大地を夏川に紹介した。


「ども…。前川 大地って言います。姉貴がいつもお世話になってます。」


大地が夏川に挨拶している。なんか変な光景。


「敬語使わなくていいよ。疾風からよく話し聞いてるよ。俺も疾風みたいに大地って呼んでいい?」


「もちろんいいっす。夏川先輩って呼ばせてもらいます。」


大地はそう言って笑った。大地のこの笑い方は営業スマイルだ…。この笑顔に一体何人の女子が騙されたんだろうか…。


そう考えていると、学校に着いた。靴箱に靴を履きかえにいった。上靴に履きかえて顔をあげると夏川が立っていた。
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