叶うはずのない恋愛
俺はそんな質問をされて正直困った。そんな事経験した事ないからわかんねぇな。
俺は何も答えれずに前川を見ていた。そんな質問をしてきた前川はいつものような笑顔はなく真剣な顔つきだった。


「なんてねｯ。たまにはこういうクールなあたしも良いでしょｯ？」


俺が口を開きかけた時、前川がいつもの笑顔に戻った。ただいつもその笑顔の裏に隠されている真実は一体何なのか。それだけが気掛かりだった。


「ほーら。夏川ｯ。なんでそんな所で突っ立ってるのよ。紗紀、教室で夏川の事待ってると思うよ？」


「ああ。教室行くわ。前川、変な事で呼び出してごめんな。後、俺の恋愛協力してくれてありがと。」


俺はそう言って前川の顔を見た。


「どういたしまして。さっ、早く教室行きなさい。あたしもう少しこの桜見てから行くね？」


前川はそう言うと俺の背中を押した。俺は、教室に向かって歩き出した。
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表紙・目次

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