叶うはずのない恋愛
「夏川、あのさ…。かえが泣いてた理由知りたいの?」


疾風からさっきの話を聞いたのか神崎が遠慮がちに俺に聞いてきた。


「あ、うん。そうだけど。俺が聞いても何も言わねぇから、その場に居た疾風や神崎ならわかるかもしれねぇなって思って。」


俺がそう言った時、前川が教室に入って来た。


「あ、結衣、五十嵐おはよッ。あのね、今日転校生来るんだってさ!」


教室に入って来るなりテンションが高い前川。さっき中庭での前川の表情が嘘見たいに思えた。


「それってあいつじゃねーの?西條 蓮 サイジョウ レン。結構有名な財閥のイケメンな奴だろ?確か前川の弟と1、2位を争う顔だとかなんか…。」


いきなり詳しく説明しだした疾風。なんでコイツはこんな変な情報に詳しいんだ?金持ちだからか?


「あれ、蓮が来るの?」


前川は急に顔が輝いた。なんでかはしらねぇが…。


< 81 / 132 >

この作品をシェア

pagetop