叶うはずのない恋愛
「ふぅーん。西條来るんだ。」


神崎も納得したように頷く。神崎は財閥の娘とかじゃなかったはずなんだか…。


「蓮と会うの久しぶりかもッ。五十嵐と蓮仲良いよねー。」


「ああ。だって俺、蓮と仲良しだからな。」


成る程。だからあんな知ったように説明したのかよ。っていうかこの学校財閥とか多すぎだろ??一般人はいないのかよ。私立だから仕方ないけどさ。


「そろそろ座ろッ。チャイム鳴るし。」


神崎はそう言うと席に戻っていった。横に居る前川を見ると疾風と楽しそうに話していた。俺の前では見せないような笑顔で。


「…ッ。……川。夏川!」

気付けば俺は考え事をしてたみたいで前川に呼ばれた声で前を見た。


「大丈夫ー?さっきからずっと深刻な顔して考え事してたっぽいけど…。」


前川は呆れたように俺を見ながら言った。
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