叶うはずのない恋愛
「いあ。別に。そんなに俺ボッーとしてたか?」


「うん。何回も呼び掛けても何も反応しなかったよ?紗紀もさっき夏川の所来てくれたのに、夏川が全然反応しないから席戻っちゃったよ。」


前川はそう言うとまた前の席の疾風と楽しげに話をしていた。
俺は前川が笑ってる横顔を見ながら、昨日見た前川の泣き顔が頭から離れなかった。何でだ…?


「みんな静かにしろよ。今日は転校生来たから紹介するからなー。」


担任が出席簿を肩にのせながら入って来た。神崎達が話してた転校生は俺達のクラスなのかよ…。


「西條、入ってきなさい。」


先生にそう言われて入ってきたのはいかにも女子にモテそうなタイプの奴だった。周りの女子がキャーキャー黄色い悲鳴をだす。どっからあんな声だしてるんだろうか…。


「永夢学園から転校して来た西條 蓮。よろしく。」


転校生、いや。西條はそう言った。
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