叶うはずのない恋愛
「西條はそうだな。前川の後ろの席が開いてるからそこに座れ。前川っていうのは…。」


先生がそう説明した時西條が口を開いた。


「かえなら知ってるから大丈夫です。ご丁寧に説明ありがとうございます。」


西條はそう言うと前川の後ろの席に座った。なんていうか関わりにくい奴だな。疾風、こんな奴と仲良いなんて理解できねぇ…。そう考えているうちに朝礼が終わった。


「蓮ッ。久しぶりだね!」

嫌でも聞こえる前川の声。そういえば前川が男子の事下の名前で呼ぶの初めて聞いたかも。俺もいつも苗字で呼ばれてるし…。


「蓮、あたしの席の隣の人が夏川 翔。疾風の大親友でもありあたしの親友でもある人。蓮もすぐ仲良くなれるよ。」


「夏川、これが西條 蓮。あたしと紗紀の小さい頃の幼なじみ。」


前川はそう紹介をしてくれた。


「翔って呼んでいい?俺の事は蓮でいいから。」


西條は意外と話しやすい奴だった。関わりにくいとか言ってゴメン。心の中でそう思いながら俺は西條、いや。蓮と話した。


「ああ。よろしくな。俺も蓮って呼ばせてもらう。」


蓮が来てから俺達は、疾風と蓮。そして俺の3人でよくつるむようになった。



〜夏川 翔 Side 終 〜
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