叶うはずのない恋愛
〜前川 かえ Side〜



「かえ、学食行かない？」


結衣が財布を持ってあたしの席まで来た。あたしは授業中もずっと五十嵐と話していたからか授業が終わった感覚すらなかった。五十嵐と話してた内容は夏川の事。たくさん相談にのってくれて有り難かった。


「うん。あたしも今日お弁当じゃないから学食だから行くｯ。」


あたしはそう返事をして鞄から財布と携帯を取り出した。


「あ、前川。俺達３人も学食なんだけど三浦も誘って翔の為に飯一緒に食べねぇ？」


五十嵐は少し困ったような顔をしながら聞いてきた。きっと夏川が五十嵐に無理に頼んだんだろう。自分で誘う勇気がないからあたしを使うのか。あたしは冷静にそう考えながら２つ返事でOKをだした。


「梓ｯ。紗紀借りてもいいかな？夏川達が紗紀と一緒にご飯食べたがってるんだ。」


紗紀は梓達と楽しそうに話しをしていた所をあたしは割り込んで梓に聞いた。


「あ、もちろんいいよ。かえも今度梓らとご飯食べようよ。紗紀いっといで。」


梓はそう言って紗紀の背中を押した。
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表紙・目次

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