叶うはずのない恋愛
「うん。今度一緒に食べてッ。」


あたしはそう返事をして紗紀を夏川達の所に連れていった。


「おーし、全員揃ったか。」


夏川はそう言うと歩きだした。相変わらずマイペースな奴…。
あたし達は学食でそれぞれ食べたい物を買って狂い木のある中庭まで移動した。


「おー。やっぱ桜まだ咲いてるな。」


五十嵐はそう言うと買ってきた缶コーヒーを開けて飲んでいた。あたしは買ってきたサンドイッチの袋を開けて食べ始めた。


「何、紗紀と夏川は付き合ってんの?」


蓮はラブラブしている2人を見ながらあたしと五十嵐と結衣に尋ねた。


「そうだよ、蓮。あたし言ったでしょ。」


結衣は半分呆れたように蓮を見た。やっぱりこの4人で居たら落ち着くなあ。蓮が居て結衣がいてそしてムードメーカーな五十嵐が居て。


「なあ、そこの4人。今週の土曜日学校休みだし遊園地でも行かない?」


夏川はそう言うと6人分のチケットをあたし達に1枚ずつ配った。これっていわゆるトリプルデート?あたしはそんな変な考えをしながらそのチケットを受け取った。
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