叶うはずのない恋愛
「紗紀チョコパフェにしよっ。」


紗紀はメニュー表を嬉しそうにしまいながら言った。紗紀は甘い物大好きだからね……。あたしは大嫌いなんだけどね。


「あたしはマンゴーパフェ。」


結衣も言った。結衣までパフェ食べるのかよ。


「前川は甘い物嫌いだから食べるもんない?あ、でもこのお茶のゼリー甘くなかったぜ?緑茶となんかのフルーツが入ってるやつ。」


夏川があたしに聞いきた。正直、びっくりした。だって、夏川があたしの嫌いな食べ物覚えてくれてたなんて思いもしなかったから。


「あ、じゃそのゼリーで。」


あたしと夏川はそう会話を交わした。それから1時間ぐらいみんなと他愛のない話をして帰った。


家に着くと無駄に豪華なシャンデリアがあたしの目をチカチカさせた。


「おかえりなさいませ、かえ様。」


桐生さんがそう言ってあたしの鞄を持っていってくれた。


「おかえり、姉貴。今日、蓮先輩転校して来なかった?」


大地は螺旋階段の上から話し掛けてくる。


「うん。西條 蓮でしょ?一緒のクラスになったよ。」


「いいなあ。蓮先輩、バスケ部入ってくれるんだってさ。姉貴もバスケ部入れよ。そしたら女子バスも強くなるのに。」


大地は階段を降りながらあたしに言ってくる。
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