叶うはずのない恋愛
「あれ、大地知らないの?今年は体育祭もあるし文化祭もある1番忙しい年なんだよ。あたしからしたら嬉しい年だけどね。」


あたしがそう言うと大地は半分呆れたようにあたしを見た。どうせ祭好きな人間だなって思ってるんだろうね。


「リレーでさせられる事になりそうだからめんどいわ。姉貴のクラスいいよな。結衣先輩、五十嵐先輩、夏川先輩に蓮と姉貴だろ?完璧なリレーメンバーじゃね?」


大地はそう言い華麗にシュートを決めた。


「左肩に力入りすぎ。」


綺麗なシュートだったけど少し肩の力が強すぎたのが惜しい点。


「流石姉貴。アドバイスありがと。」


大地はそう言ってまたシュート練習を始めた。コートにボールの跳ねる音が響いた。


「大地様、練習中失礼致します。大地様のクラスメイトが来てますよ。それも大勢の女子が。」


桐生さんが言った。家にまで女子が来るって大地どんだけ人気者なのよ。モテ期到来?


「まじかよ。だりぃな。」


大地は露骨に嫌そうな顔をしている。そりゃそうか。学校では王子様面しないとダメだもんね。あたしも仮面被ってるけどそれは自分の為だからね。
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