叶うはずのない恋愛
でも、大地の場合は違う。前川財閥の跡取りだからなるべく良い印象をもたせる為にお母さんが言った事。学校では王子様面する事ってね。大地はまあまあ楽しんでるみたいだけど、さすがに自分の親友には素をだしてるらしい。素をだせる友達ができてよかったって一緒に話した記憶がある。


「王子様ご臨床?あたしも大地のクラスメイトに会ってみよっかなー。暇だし。」


ボールを大地から奪い久々にダンクシュートを決めた。シュッと気持ちよく音がなった。


「んじゃ、部屋行くか。ああ、敬語使うのめんどくせ。第一こんな敬語キャラな男子恋愛小説にしか存在しないだろ。最近の女ってなんでこんなに馬鹿な訳?」


文句を言いながら着崩していた制服をしっかり着た。ネクタイをしっかり締めブレザーを羽織って大地は歩き出した。


「しょうがないでしょ。女の子は幻想を描くんだから。大地みたいな男子は夢の中からでてきたようなもんだからね。」


そう会話しているうちに女の子達が待つ部屋に着いた。


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