叶うはずのない恋愛
扉を開けると女の子が数人居た。制服姿でもなく紗紀が着るような姫系の洋服を着ていた。大地に可愛く思われたくておしゃれしてきたのかな。


「あ、大地君。ごめんね?急に押しかけちゃって。」


茶色い巻き髪の女の子が頬を染めながら大地に言った。この女の子達のリーダーかな?


「いあ、いいよ。川辺さん。来てくれて僕も嬉しいよ。ちょうど暇だったから。こっちにいるのが僕の姉の前川 かえ。僕の2つ上なんだ。」


大地はそう言ってあたしを紹介してくれた。なんか大地が「僕」とか言ってるの慣れないから気持ち悪い…。


「あ、知ってます。前川先輩の噂はよく聞きます!」


もう一人の女の子が言った。っていうかあたしの噂って…。何、話す事があるんだよ。そう思いながら会釈をした。


「そうなのかな?あたしよく噂何て聞かないからわかんないなッ。」


あたしはそう言いながら微笑んだ。


「前川先輩は憧れなんですよ!私達1年生の…。頭良くて、運動神経抜群で可愛いくて誰にでも優しい。私、前川先輩とお話できるなんて夢みたいです!」


あたしの前に居る女の子は目をキラキラ輝かせながら言う。あたしはそれを聞いて苦笑をした。だって頭が良い?そんなの努力次第で誰だってよくなるし。第一あたしは可愛くない。それに優しいのは表の性格だから。運動神経はわからないけど。



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