もう一度君に逢えたなら
初めて柚裡の口から、病気のことを話された時

私は、驚いたのと同時に

絶望と縁に立たされたのを、覚えている。


どうして私の子供に限って、と

何回も思った。


きっとそのことを柚裡もわかっていて

私に気をつかわせないように、と

家に帰ってこなくなったのもわかっていた。
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