もう一度君に逢えたなら
「………美琴。」

「………ゆ、柚裡…?」

「………俺以外に、誰かいるか…?」


背後から、懐かしい柚裡の声がした。

でも私は、振り返れなかった。


こんなこと、何回もあったんだ。

家でも、病院でも、職場でも


たまに"美琴"って柚裡の声がきこえたような気がして振り返るけど

今までそこに、柚裡がいたことなんかなかった。
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