純恋イケメンガールを好きになる!
「……本気って言ったら、どうすんだよ……?」
怒らせたのは、俺だ。
「っ!」
芦谷の右腕が高く上がる。
条件反射で目をつぶり、頭を守るように体を丸めた。
ドンッッ...
「なんでっ……!」
だけど拳は俺の横を素通り、壁を力強く殴った。
自分に絶望する。
なんで今、頭を守った?
芦谷が、殴るわけないのに。
人を傷つけるわけないのに。
信じられなかった自分が、嫌だと思った。
「……おれの気持ち、少しも届いてなかったんですか。」
「え……。」
「おれがっ、純恋先輩を好きだって気持ちは少しも……!」