純恋イケメンガールを好きになる!





「……本気って言ったら、どうすんだよ……?」



怒らせたのは、俺だ。



「っ!」



芦谷の右腕が高く上がる。


条件反射で目をつぶり、頭を守るように体を丸めた。



ドンッッ...



「なんでっ……!」



だけど拳は俺の横を素通り、壁を力強く殴った。



自分に絶望する。


なんで今、頭を守った?


芦谷が、殴るわけないのに。

人を傷つけるわけないのに。



信じられなかった自分が、嫌だと思った。



「……おれの気持ち、少しも届いてなかったんですか。」


「え……。」


「おれがっ、純恋先輩を好きだって気持ちは少しも……!」





< 104 / 259 >

この作品をシェア

pagetop